「FXの仕組みがよくわからない」
「なぜ利益を得やすいの? 損するリスクは? 」
「何から学べばよいの? 」
FXに興味があっても、仕組みがよく理解できず、なんとなく難しいイメージを持っている方は多いでしょう。
しかし、FXは仕組みさえ理解できれば、効率的に利益を得られる可能性がある投資方法です。
この記事では、
- FXで利益を得る仕組み
- FXがほかの投資よりも効率的に利益を得られる理由
- 初心者が安全にFXの取引を行う4つのポイント
について詳しく解説します。
初心者でも安心して取引ができるようになる方法を解説するので、ぜひ参考にしてください。
目次
FXとは外貨を交換して利益を得る仕組み
FXとは「Foreign Exchange」の略称で、外国為替証拠金取引のこと。FXは、ドルやポンドなどの通貨を交換・売買して、差益を得る仕組みです。
世界情勢・経済の状況・各国の金利などによって、それぞれの通貨の価値は日々変動し続けています。
たとえば、ドル円を売買した場合、決済した価格により損益が発生します。
▼FXで利益や損失が発生する仕組み
注文方向 | 決済した価格 | 損益 |
買い(ロング) | 購入した価格よりも高い | 利益 |
購入した価格よりも低い | 損失 | |
売り(売り) | 購入した価格よりも高い | 損失 |
購入した価格よりも低い | 利益 |
新規で注文した価格と決済した価格の差が、損益になる仕組みです。
さらに、FXでは「証拠金」と呼ばれる担保を元手に取引ができます。この仕組みはレバレッジとも呼びます。
仮に1ドルが100円のときに10,000ドルの取引をするケースで考えてみましょう。
本来であれば、10,000ドル分の取引をするためには、100万円が必要です。
▼通常の取引と証拠金取引の際に必要なお金の比較
方法 | 10,000ドル分の取引をするのに必要なお金 |
通常の取引の場合 | 100円(ドル円のレート)x 10,000ドル = 100万円 |
証拠金取引(FX)の場合 | 100円(ドル円のレート)x 10,000ドル ÷ 25(レバレッジ)= 4万円 |
しかし、FXであれば、総取引額(このケースでは100万円)の数%の証拠金を預けるだけで取引ができます。
したがって、レバレッジ25倍で取引した場合、4万円(総取引額の25分の1)で100万円分の取引が可能です。
つまり、FXでは少ない資金でより効率的に利益を得られる可能性があります。
FXの取引条件を解説
ここからはFXの取引条件について見ていきましょう。
FXは、インターネットにより全世界の市場で取引できます。世界のいずれかの国が営業していれば、24時間いつでも取引が可能です。
したがって、昼間に働いている会社員であっても、夜の時間を使ってFXを楽しめます。
また、FXで取引する際にかかる手数料は基本的にスプレッドのみです。スプレッドとは、取引する際の買値と売値の差のことです。この差が狭いほど取引コストは低くなります。
以下の表はFX業者のスプレッドです。
▼FX業者のスプレッド比較(※原則固定スプレッド)
USD/JPY(ドル円) | EUR/JPY(ユーロ円) | GBP/JPY(ポンド円) | |
LION FX | 0.2銭~0.9銭 | 0.4銭~1.6銭 | 1.0銭 |
GMOクリック証券 | 0.2銭 | 0.5銭 | 1.0銭 |
みんなのFX | 0.2銭 | 0.4銭 | 0.8銭 |
スプレッドは各業者によって異なるので、事前に公式サイトで必ず確認しておきましょう。
FXで利益を得る2つの方法
FXで利益を得る方法は2つあります。
- 為替差益を狙う
- スワップポイントをもらう
それぞれの方法について、詳しく見ていきましょう。
1.為替差益を狙う
為替差益を狙う方法とは、為替レートの変動を利用して利益を出す方法です。
たとえば、USD/JPY(ドル円)のレートが1ドル100円と仮定します。FXでは、USD/JPYを買った場合・売った場合の両方で利益を出せます。
ドル円が上昇すると予想する場合は買い注文をしましょう。
仮に1ドル100円で1万通貨買い注文(ロング)を行った場合、101円になったタイミングで決済すれば、その差額が利益になります。
(101円 - 100円)x 1万(通貨)= 1万円
そして、価格が102円、103円と上昇すればするほど多くの利益を得られます。
では、同じ条件で、売り注文をした場合はどうなるでしょうか?
1ドル100円で1万通貨売り注文(ショート)をした場合、99円になったタイミングで決済をすれば、その差額が利益になります。
(100円 - 99円)x 1万(通貨)= 1万円
2.スワップポイントをもらう
もう一つの方法は、スワップポイントを得る方法です。
スワップポイントとは、2ヵ国間の金利差によって得られる利益のこと。
FXでは、高金利通貨を買い低金利通貨を売れば、ポジションを保有している日数(土日も含む)に応じて、金利差分の利益を得られます。
たとえば、みんなのFXではトルコリラ円を買うと、1ロット(1万通貨)の取引ごとに20円(2022年4月11日現在)のスワップポイントを受け取れます。
仮に1ヵ月トルコリラ円の買いポジションを保有し続けた場合、600円分のスワップポイントがもらえる仕組みです。
保有しているポジションが多ければ、その分多くのスワップポイントがもらえます。
FXが効率よく利益を得られる可能性がある4つの理由
投資をするなら、FX以外にも株式投資や投資信託などがあります。
しかし、FXはそれらの投資よりも効率よく利益を得られる可能性が高いといえます。
- レバレッジをかけられるので少ない資金でも多くの利益を得られる可能性がある
- 買いだけでなく売りからでも利益を得られる仕組み
- 平日であればほぼ24時間取引できる
- 大きく値動きする場合がある
それぞれの理由について見ていきましょう。
1.レバレッジをかけられるので少ない資金でも多くの利益を得られる可能性がある
FXは、現物の株式投資や投資信託とは異なり、レバレッジをかけられます。
たとえば、1ドル100円のときに1万通貨保有する場合、100万円を用意しなければなりません。
一方、25倍のレバレッジをかけると、4万円の資金を用意すれば取引できます。
したがって、10万円くらいの資金しかなくてもトレードに参加することは可能です。
また、レバレッジをかけられる投資では、少ない元手でより多くのポジションを保有できます。
仮に1ドル100円のときにドル円を買い、101円で決済した際に得られる利益を比較してみます。
▼レバレッジをかけた場合に得られる利益
レバレッジをかけない場合 | レバレッジを25倍かける場合 | |
100万円の資金がある際に保有できる取引量 | 1万通貨 | 25万通貨 |
1円上昇した時点で決済したときの利益 | 1万円 | 25万円 |
この場合、レバレッジ25倍で取引した方が、より多くの利益を得られるでしょう。
2.買いだけでなく売りからでも利益を得られる仕組み
FXでは買いだけでなく売りからでも利益を得られます。たとえば、以下の画像はドル円の値動きを表したチャートです。
画像のように価格が下落し続けている局面では、売りポジションを保有して利益を狙うことが可能です。
現物の株式投資では上昇局面しか利益を狙えませんが、FXであれば上昇局面でも下降局面でも利益を狙えるチャンスがあります。
3.平日であればほぼ24時間取引できる
FXは、平日であればほぼ24時間取引ができます。
FX業者によって異なるものの、おおむね午前7時前後から翌朝の7時前後(3月第2日曜日~11月第1日曜日のサマータイムは1時間早まります)まで取引が可能です。
そのため、仕事や家事などで忙しい方でも、ライフスタイルに合わせて取引を楽しめるでしょう。
会社員の方であれば、退社後2,3時間ほどの取引でも十分利益を狙えます。また、スマホの取引ツールも対応しているため、通勤時間も取引可能です。
主婦の方であれば、家事や育児の合間の取引もできます。
4.大きく値動きする場合がある
FXは比較的値動きが大きい投資商品です。たとえば、以下のタイミングでポンド円の取引をした場合、保有する通貨の量によってはわずか9時間で20万円以上の利益を得られる可能性があります。
取引量が多ければ、さらに利益を得られる可能性もあるでしょう。レバレッジを活用することで、10万通貨より少ない自己資金でも同様の利益を狙うこともできます。
株式投資や投資信託はここまで値動きが大きくないため、より利益を得られるチャンスは多いといえます。
FXで取引する際の注意点
FXは少ない資金で効率的に利益を得られる投資方法です。しかし、やり方を間違えれば、損失を被るリスクもあるので注意してください。
FXの取引をする際の注意点は、3つあります。
- 取引量を増やしすぎると損失が大きくなる恐れがある
- 寝ている間も大きく価格が動く
- 含み損が膨らむとロスカットが執行される
必ず取引をはじめる前に把握しておきましょう。
1.取引量を増やしすぎると損失が大きくなる恐れがある
FXでは取引量を増やすほど、得られる利益も大きくなります。反面、予想と反対の値動きになった場合の損失も大きくなるため、注意してください。
たとえば、1ドル100円のときにドル円を買ったケースで考えてみましょう。
▼1万通貨と10万通貨で取引した場合の損益
ケース | 1万通貨 | 10万通貨 |
ドル円の価格が105円まで上昇後に決済 | 5万円の利益 | 50万円の利益 |
ドル円の価格が95円まで下落後に決済 | 5万円の損失 | 50万円の損失 |
10万通貨取引した方が、利益が大きい反面、損失も大きくなります。
そのため、取引量を増やしすぎると、大きな損失を被ることになるでしょう。
2.寝ている間も大きく価格が動く
FXは時間帯により値動きの大きさや特徴が異なります。
通貨ペアの値動きがもっとも大きくなるとされる時間帯は、ロンドン時間(17時~深夜2時)やニューヨーク時間(21時~翌朝6時)です。
つまり、為替は日本人である私たちが寝ている間に大きく動く可能性があります。
そのため、大量のポジションを保有したまま就寝した場合、値動き次第では大きな損失を被るリスクがあるので注意してください。
3.含み損が膨らむとロスカットが執行される
FXでは、保有しているポジションと逆方向に値動きが偏り続けた場合、含み損が膨らみます。
含み損は、決済をしない限り損失にはなりません。
しかし、含み損が膨らみ続けて一定の水準に達した場合は、ロスカットが執行される場合があります。ロスカットが起きると保有しているポジションが強制的に決済され損失を被ることになります。
株式投資のように塩漬けして、価格が反転するのを待つことはできないので、注意してください。
ロスカットを防ぐためには保有中のポジションに対してギリギリの資金で取引せず、自己資金に余裕を持たせましょう。
初心者が安全にFXの取引を行う4つのポイント
FXは取引方法を間違えると、思わぬ損失を被る恐れがあります。
しかし、初心者でもこれから紹介する4つのポイントを押さえれば、安全に取引ができます。
- 仕組み上、取引量を抑えればリスクは低くなる
- 相場環境により買いだけでなく売り注文も活用する
- メジャー通貨かつ値動きが緩い通貨を中心に取引する
- 想定と違ったら損切りする
それぞれのポイントについて、解説します。
1.仕組み上、取引量を抑えればリスクは低くなる
FXは仕組み上、取引量を増やすほど利益や損失が大きくなります。初心者の場合、リスクを低くするためにも取引量を抑えて取引しましょう。
たとえば、1万通貨で100銭の損失が発生した場合、1万円の損失が発生します。しかし、取引量を100通貨に減らした場合は、100円しか損しません。
いつでも利益を得られるチャンスはあるので、取引量を増やしすぎないようにしましょう。
2.相場環境により買いだけでなく売り注文も活用する
FXの取引をする際に「買いだけ」もしくは「売りだけ」といったように、注文方向を絞るのは、おすすめできません。
上昇している時期もあれば、下落が長期間続くケースもあるからです。いつでも利益を得られるように、買い注文だけでなく、売り注文にも挑戦してみてください。
3.メジャー通貨かつ値動きが緩い通貨を中心に取引する
どの通貨ペアを選ぶかで、値動きの強さも大きく変わります。たとえば、ドル円やユーロドルは比較的値動きが緩いため、初心者向きの通貨ペアです。
一方で、初心者には危険な通貨ペアもあります。
ポンド絡みの通貨ペア(ポンド円やポンドドル)や新興国通貨は、一般的に値動きが激しいため、始めたばかりの初心者の方には取引をおすすめできません。
慣れるまでは、ドル円やユーロドルなどから挑戦してみましょう。
4.想定と違ったら損切りする
FXで長期的に利益を得るためには、損失をいかに少なくするかが重要です。上昇すると予測して買いポジションを保有しても、価格が下落し続けた場合、当初の思惑が外れています。
このようなケースでは、無理にポジションを保有し続けずに、すっぱり損切りしましょう。
損切りすれば、含み損が大きく膨らむ前に決済できるため、損失が大きくなりません。結果的に大きな損失を被るリスクが低くなるので、利益を残しやすくなるでしょう。
仕組みを理解すればFXは難しくない
FXは、専門用語もたくさん出てくるため、難しいイメージがあるかもしれません。
テレビの特集や雑誌などでも、FXで大損した人が取り上げられるため、安心して取引できるのか不安を感じている方も多いでしょう。
しかし、一度仕組みを理解すれば、はじめての方でもリスクを抑えて取引ができます。むしろ、レバレッジをかけられる分、ほかの投資よりも多くの利益を得られる可能性もあります。
初心者がFXをはじめるのであれば、慣れるまでは1,000通貨以下で取引量を抑えられる証券会社を選びましょう。
ぜひこの記事を参考に、FXにチャレンジしてみてくださいね!