これからFXを始めようと思っているのなら、自分がFXに向いているか向いていないのかをある程度把握しておくとよいでしょう。もしFXに向いていない人の特徴に当てはまるなら、FXで損が続く原因になります。
この記事では、FXに向いている人と向いていない人の特徴を説明し、自分に向いているFX手法の選び方についても紹介します。
FXに向いている人の特徴
FXは為替レートが上昇するか、下降するかを見極め、通貨の売買を繰り返して利益を得る投資法です。
単純なように思えますが、継続して利益を得られるかどうかは、それぞれの性格にかかっています。継続した利益を得るためには、細かい分析や検証が必要なためです。
まずは、FXに向いている人の特徴を3つ紹介します。ここで紹介する特徴に当てはまっているなら、FXを始めても長期的に取引していけるでしょう。
感情的にならず冷静に行動できる人
FXに向いている人の特徴の1つ目は、感情的にならず冷静に行動できる人です。
勝ったり負けたりを繰り返すFXでは、根気よく取り組む姿勢が求められます。負けが続いてイライラしてしまう人は、自分で決めたルールを破って直感的に取引してしまうため、FXには向いていません。
1回2回負けたとしても、自分の取引スタイルを変えずに淡々と取引できる人がFXに向いています。FXで利益を上げるには、とにかくロボットのように機械的に取引を続けることです。
目先の利益より長期的な利益を優先できる人
長期的な利益を優先できる人も、FXに向いている人の特徴です。
FXには「大金を稼げる」とのイメージをもっている人もいるのではないでしょうか?
実は真逆で、FXは勝ち負けを繰り返して、トータルで勝ち越すことを狙う投資法です。もちろん、レバレッジと呼ばれる仕組みを利用すれば、少ない元手で最大25倍※もの金額を取引できて、大きく勝てます。
しかしレバレッジにはリスクもあり、負けたときも大きく負けやすいことがデメリットです。短時間で目先の利益だけを得ようとすると、足元を救われる可能性があります。
そのため、目先の利益ではなく長期的に考えて確実な利益を狙える人が、FXに向いている人の特徴です。
※日本国内のFX会社の場合
細かい分析や検証するのが好きな人
FXに向いている人の特徴3つ目は、細かい分析や何度も検証するのが苦にならない人です。分析や検証にはなじみがなくても、コツコツと物事に取り組むのが得意な人もFXに向いています。
「FXはすぐに稼げるらしい」という誤った情報を聞いたことがあるかもしれません。確かに、FXは為替レートが上がるか下がるかを予測するだけの投資法のため、初心者でもなんとなく取引して利益を得られてしまいます。そのため、「すぐに稼げる」と言われてしまうのです。
しかしFXは単純なものでなく、ある程度まとまった時間を勉強する必要があります。また、トレード手法は日々新しいものが開発されており、一度勉強したら終わりというわけではありません。
知識をブラッシュアップし、それを自分の取引に取り入れて検証を重ね、分析を繰り返せる真面目な人がFXに向いています。
反対にFXには向いていない人の特徴
ここまで、FXに向いている人の特徴を紹介しました。では反対に、FXに向いていない人の特徴として、どのようなものが挙げられるのでしょうか。
FXに向いていない人の特徴を3つ紹介します。ここで紹介する特徴に当てはまっている人はFXでなく、株式投資や投資信託といった別の投資法も試してみましょう。
感情的になりやすい人
勝ち負けで一喜一憂するタイプの感情的になりやすい人は、FXには向いていません。
感情的になりやすいと、勝った場合は「もっと行ける!」とよりリスクの高い取引をしてしまう可能性があるからです。また、負けたときにイライラして負けた分を取り返そうとする人も、損が大きくなるリスクがあります。
FXは、プロトレーダーから初心者まで同じ土俵で戦っています。為替レートは機械的に動くのではなく、トレーダー同士の売買によって上下する仕組みです。つまり、誰かが勝つと誰かが負けます。
プロトレーダーから見ると、勝負に熱くなった初心者トレーダーは扱いやすく、簡単に勝てる相手です。そのため、感情的になりやすい人はプロトレーダーの餌食にされ、負け越してしまいます。
分析や検証などの細かい作業が苦手な人
FXに向いている人の特徴で説明したとおり、FXでは分析や検証など細かい作業が必要です。そのため、分析したり何度も検証したりするのを手間に感じる人には、FXは向きません。
手を抜いて楽をしようとしたり、新しい知識を身につけるのが嫌いだったりすると、目先の利益に飛びついて大損する可能性もあります。
また、分析結果にもとづいて、あらかじめ決めた自分ルールを守れない人もFXには不向きです。FXに限らず、投資の世界では自分ルールを確立し、それに従って取引することでリスクを減らして、利益を狙いに行くための鉄則だからです。
失敗が怖くて行動できない人
FXに向いていない人の特徴3つ目は、失敗を恐れるあまり行動できない人。つまり慎重すぎて、大きなチャンスを前にしても行動できず、チャンスを逃してしまうケースです。
確かに、大きく取引すると損失も大きくなる可能性があります。大切なチャンスを見逃せば損はしませんが、一方で利益が出ることもありません。
チャンスに飛び込むことは、根拠なく大金を投資することとは違います。分析し、検証した結果に得たチャンスは拾わないと意味がありません。
「失敗が怖くて行動できない」という人は、投資信託やETFなどの比較的リスクの低い投資法を検討するとよいでしょう。
向いているFX手法の選び方
ここからは、実際にFXを始めた場合のトレード手法の選び方を紹介します。
FXの主なトレード手法には、次のものがあります。
- スキャルピング
- デイトレード
- スイングトレード
「そもそも上記の用語がわからない」という人も安心してください。ここでは、それぞれの手法の基本と向いている人の特徴を説明していきます。
スキャルピングに向いている人
スキャルピングに向いている人の特徴は、次のとおりです。
- 取引時間を確保しにくい人
- 少額をコツコツ稼ぎたい人
- 集中力が高く、迅速に判断できる人
そもそもスキャルピングとは、数秒から数分で取引を繰り返して利益を得る手法です。
例えば、最初に1ドル=100円で米ドルを買い、3分後に1ドル=105円で円を買い戻すといった流れです。この場合、3分の間に5円の利益が得られます。
もちろん上記は一例のため、実際には1回の取引で数万円、数十万円を動かします。
スキャルピングは長くても数分で取引を繰り返すため、一度に大きな利益は得られません。その代わり、損失も少なくすみます。少額でもよいからコツコツ稼ぎたい人におすすめの手法です。
また取引に要する時間が短くて済むため、日中は仕事で取引できない人など、取引時間を確保しにくい人にも向いています。ただし、集中力の高さと迅速な判断力が求められます。
注意したいのは、FX会社によってスキャルピングを禁止している場合があることです。詳しい説明は省きますが、スキャルピングするとFX会社の損失につながるため、口座凍結などの処置が下されるケースもあります。
スキャルピングでFXをしたいなら、以下のFX会社を選ぶとよいでしょう。
条件 | FX口座 |
一部取引時間は注意 |
|
公認 |
|
\最大300,000円キャッシュバック中/
デイトレードに向いている人
デイトレードに向いている人の特徴は、次のとおりです。
- 1日の中である程度、取引時間を確保できる人
- スキャルピングよりもまとまった利益が欲しい人
- 冷静に損切りできる人
デイトレードとは、1日で取引を終わらせる手法です。取引を終わらせることをFXの世界では、「ポジションを閉じる」「ポジションをクローズする」などと言います。
ポジションとは、通貨の取引をしている状態のことです。取引が続いていて決済していない状態を「ポジションをもつ」と表現します。
FXでは通貨を買いから入るだけでなく、売りから入ることもできるので、実際には外貨をもっている状態でなくても「ポジションをもっている」と言います。
その日の最後には必ずポジションをクローズした状態で終わるのが、デイトレードです。翌日にポジションは持ち越しません。
デイトレードに向いているのは、取引時間をある程度確保できる人です。スキャルピングとは異なり、デイトレードは数時間から十数時間の取引を繰り返します。そのため、短時間に集中するのではなく、長時間かけて取引するイメージです。
また、ある程度まとまった利益を狙いたい人にもデイトレードは向いています。数時間、十数時間経つと為替レートは大きく変化する可能性があり、大きい利益が得られます。
ただし、デイトレードは翌日にポジションを持ち越さない手法です。その日の終わりに損していても、損を小さく収める損切りする必要があります。ですので、損になるとしても冷静に損切りできる人が、デイトレードに向いています。
スイングトレードに向いている人
スイングトレードに向いている人の特徴は、次のとおりです。
- 取引する時間を取れない人
- 焦らずじっくり待てる人
- スワップポイントで利益を得たい人
スイングトレードとは、ポジションを翌日以降ももった状態で利益を伸ばす手法です。デイトレードよりも大きな利益になる可能性があるため、一度の取引でたくさんの利益を得たい人に向いています。
また、ポジションをもった後は少なくとも数日動かさないため、時間のない人も取り組みやすいでしょう。
ただし、為替レートが上がったり下がったりするのを見て、焦って早々に決済してしまう人には向いていません。利益が大きくなるのをじっくり待てるひとに向いています。
また、FXにはスワップポイントと呼ばれる仕組みがあり、これを狙いたい人にもスイングトレードはおすすめです。
スワップポイントとは、取引する2か国間の金利差に伴って得られる利益のこと。高金利の通貨を買うと、差額分が毎日利益として得られます。スワップポイントは必ずしも利益になるものではなく、低金利の通貨を買って翌日まで持ち越すと金利差が損失となります。
スイングトレードでは高金利の通貨を保有することで、毎日自動的に利益が得られるため、頻繁に取引するのが面倒という人に向いている手法です。
FXに向いている人はまずスキャルピングやデイトレードに挑戦してみよう
FXに向いているのは、冷静に行動できる人・長期的な目で取引できる人・分析や検証が好きな人です。反対に、感情的になりやすい人・分析や検証が苦手な人・失敗が怖くて行動できない人には向いていません。
初心者の場合、まずはスキャルピングやデイトレードといった比較的取引の短い手法にチャレンジしてみましょう。ただし、スキャルピングを禁止しているFX会社もあることに注意してくださいね。
この記事のライター・監修者
大木 千夏 2級ファイナンシャル・プランニング技能士、AFP(日本FP協会認定) 対応可能業務:「貯金を資産運用したいけど、何から始めればよいかわからない」そんな方へ、まずは運用方法の種類やリスクを丁寧にご説明します。お気軽にご相談ください。 |