「FXの騙しってなに?」
「どんなときに騙しがおきるの?」
「騙しを回避する方法を教えて!」
FXのトレードをしていると、騙しと呼ばれる相場の動きに翻弄されることがあります。
騙しについてよく知らないまま、セオリーにだけしたがってトレードしていると、大きく損をしてしまうかもしれません。
そこで本記事では、次の情報をまとめました。
- 騙しとは何か
- 騙しが起こる3つのパターン
- 騙しを見極める6つのポイント
- 騙しと気づいた際の3つの対処法
本記事を読めば、実際のトレードで騙しにあっても、落ち着いて対処できるようになります。
予測不可能な市場の動きに大損しないように、ぜひ最後までご覧ください。
FXの「騙し」とは予想通りに為替レートが動かないこと
FXにおける騙しとは、テクニカル分析で予測された方向に対して、実際の為替レートが真逆の方向に動くことです。
分析から見る定石通りにエントリーしたのちに騙しが発生すると、思わぬ損失をかぶってしまいます。
たとえば、移動平均線を使った分析でゴールデンクロスが発生した場合、通常であればその後上昇トレンドに入るため、買い注文を入れるでしょう。
しかし、買いの注文を入れたあとに騙しが発生すると、予想に反して相場が下降するため、思わぬ損失が出てしまいます。
騙しが発生する理由は、大口トレーダーの介入や、他のトレーダーの損切り・買い戻しの動きによるものです。
人と人とが取引をしているFXだからこそ、予測不可能な騙しの動きが出てしまいます。
騙しを何度か経験すると、売り買いのタイミングに自信が持てなくなり、正しく取引を続けられなくなるトレーダーも存在します。
FXでは騙しが日常的に起きていると理解し、不必要に感情的にならないよう注意しましょう。
FXの騙しパターン3選
FXにおける騙しには、いくつかのパターンがあります。
そのなかでも、頻出するのが以下の3つです。
- ブレイクアウト後に伸びない
- ゴールデンクロス後に伸びない
- トレンドが終わらない
それぞれの詳細まで解説します。
1.ブレイクアウト後に伸びない
1つ目はレンジ相場で起こる騙しのパターンです。
サポートラインやレジスタンスラインを超えたタイミング、つまり上昇すると予想されるブレイクアウトの動きがあったあと、再び下降する動きです。
上昇予想で多くのトレーダーが買い注文を入れた後、買い注文の殺到や大口トレーダーの動きなどさまざまな要因が相場に影響し、下降してしまいます。
下落幅の大きさに慌てて損切りするトレーダーが多ければ、レートが再び上昇するパターンも珍しくありません。
ブレイクアウト後には、騙しの可能性が潜んでいるため注意しましょう。
2.ゴールデンクロス後に伸びない
2つ目は、上昇トレンドが始まるはずのゴールデンクロス後に、下降してしまうパターンです。
ゴールデンクロスとは短期の平均移動線が、長期の平均移動線を突き上げるにクロスする形で、買いのトレードサインとなります。
初心者から上級者まで、多くの人が参考にしているゴールデンクロスですが、騙しがおきてしまうと上昇トレンドに入りません。
予想と反して相場が下降し、損失が大きくなってしまいます。
株式の動きを参考にしたファンダメンタルズ分析を取り入れるなどして、騙しにいち早く気けるようになりましょう。
3.トレンドが終わらない
トレンド終了の合図があったはずなのに、また相場が戻っていくのは騙しのパターンです。
ブレイクアウトやゴールデンクロスだけでなく、デッドクロスなども油断できません。
たとえば通常下降トレンドの合図が出た時は、上昇トレンドのポジションをとっていた人は損切りをしてポジションをとりなおします。
すると下降がさらに加速するため、下降トレンドが続いていくのが一般的な流れです。
ところが損切りした後再エントリーしない人が多いなど、予期せぬ動きがあれば騙しが発生してしまいます。
FXで騙されないための6つのポイント
FXで騙しを見抜くには、ポイントがあります。
特に知っておきたいのは、以下の6つです。
- 1つ目のトレードサインに飛び乗らないようにする
- 様々なテクニカル分析で確認する
- 同じ動きをしている通貨ペアも確認する
- 多くの相場を経験する
- 最初は少ないロットでエントリーする
- 過去に同じ場所で騙しがないか確認する
騙しにあって損をしないように、それぞれチェックしておきましょう。
1.1つ目のトレードサインに飛び乗らないようにする
トレードサインが来てもすぐには飛び乗らず、様子を見ることをおすすめします。
騙しは、1つ目のトレードサインの後に発生しやすいからです。
たとえばブレイクアウトなど買いのサインが来ても、買いたい気持ちをぐっとこらえて、実際に相場が上昇するか見極めるとよいでしょう。
2度目のサインが来たなら、その後の動きは予想がしやすく、騙しの可能性はグッと減ります。
騙しを回避し、勝率を上げるためには、1つ目のサインを見送る忍耐も大切です。
2.様々なテクニカル分析で確認する
騙しを敏感に察知するには、さまざまな視点でレートを見るのも大事なポイントです。
テクニカル分析とは、過去の取引の傾向から未来の動きを予想する分析方法です。
FXではテクニカル分析が重要であり、ファンダメンタルズ分析と合わせて勝つために重要な分析方法だと言われています。
FX初心者はサポートラインやトレンドライン、移動平均線だけをみて取引を進めるケースも多いでしょう。
移動平均線が優秀なテクニカル分析であることは確かですが、騙しなど突発的な値動きに弱いのも事実です。
分析方法をいくつか起用すれば、それぞれの弱点を補い、多角的にチャートを分析できます。
下記は、FXでよく使われるテクニカル分析です。
- 移動平均線
- ローソク足
- ボリンジャーバンド
- トレンド系
- 一目均衡表
- MACD
- パラボリック
組み合わせを増やしすぎるとエントリーがしにくくなるため、3つ程度を組み合わせながら取引し、騙しに気づける視点を養うとよいでしょう。
3.同じ動きをしている通貨ペアも確認する
騙しに気づけるヒントとして、他の通貨ペアも参考になります。
FXでは何種類もの通貨ペアがありますが、その中で同じような値動きをするペアを見つけてチェックしましょう。
動きが似ている2〜3のペアが同様に上昇や下降のトレンドに入ったのなら、エントリーしている通貨ペアも似た動きをする可能性が高いです。
騙しを回避できる可能性がたかまるだけでなく、自信をもった判断ができるようになります。
動きが近い通貨ペアを複数同時にチェックするのは、おすすめの手法です。
4.多くの相場を経験する
騙しを見抜くには、知識と同時に経験による勘も必要です。
多くの相場で取引をおこない、しっかり分析をして経験を積みましょう。
遠回りに思えるかもしれませんが、熟練のトレーダーほどちょっとした違和感に気づきます。
FXトレードをこれから始める初心者は、デモトレードを使ってみるのもおすすめです。
いくつもの場数を経験し、予測が難しい騙しに敏感に対応できるようになりましょう。
5.最初は少ないロットでエントリーする
騙しの被害を最小限に抑えるという観点から、最初は少ないロットでエントリーするのも一案です。
騙しがおきていると気づいた時、少ないロットなら被害額を最小限にとどめられます。
たとえば、5ロットでエントリーする場合、最初に出た買いのトレードサインでは1ロットのみエントリーするとよいでしょう。
2回目以降のサインが現れたなら残り4ロットもエントリーし、騙しだったならすぐに損切りします。
予測不可能な騙しに対しては、小ロットでリスクを下げる手法は有効です。
6.過去に同じ場所で騙しがないか確認する
騙しが発生しそうなとき、過去に同じ箇所で騙しが発生していないか確認をおすすめします。
まえにも同じ場所で騙しが発生していたのなら、再び騙しがおきる可能性が高いからです。
すでに騙しを経験している場合はそこから学び、取引の初心者であれば過去の取引を研究して知識を取り入れるとよいでしょう。
過去の騙しと同じ場面になり、違和感がある場合は取引を見送るのもひとつの手です。
騙しにあった際の3つの対処法
トレーダーをイライラさせる、騙しによる予測不可能な相場の動きは、残念ながら珍しい動きではありません。
騙しは日常的に起きており、プロが予想を誤ってしまうケースも珍しくありません。
そのため騙しを避けるよりも、騙しだと気づいた後の対処の方が重要です。
ここでは、具体的な対処法を3つご紹介します。
- 損切りラインを設定する
- ポジションの一部を決済する
- 騙しと同じ方向にエントリーする
騙しの被害を大きくしないため、それぞれ確認していきましょう。
1.損切りラインを設定する
騙しだと気づいたら、損切りラインを設定しましょう。
損切りとは、今取引をやめると損をするというタイミングでも、その後損失がさらに大きくなりそうなら取引をやめることです。ロスカットがおきやすいFXでは、早めの損切り判断が求められます。
相場が騙しの状態に入ったら、セオリーとは逆方向に多額の注文が入り、損失が大きくなりやすいからです。
このときレジスタンスラインが100円だったと想定すると、99.900円に損切りラインの注文を入れておけば、被害額は小さくすみます。
騙しの動きにすぐに反応するのは、経験がないうちは困難です。
損切りを確実にするためにも、損切りラインの設定をおすすめします。
2.ポジションの一部を決済する
現在乗っているトレンドが大きく、騙しの動きが落ち着いたら回復する見込みがあるなら、ポジションの一部を決済するのも対処法のひとつです。一部決済すれば、その分損失を減らせます。
たとえばポジションの7割を決済したなら、損失が7割減り、残りの3割でポジションをキープするなども有効です。
ただし、騙しが発生している中ポジションを持ち続けるのはリスクが大きいため、本当に大きなトレンドに乗れているのか、改めてチェックしてください。
4時間足や1日足も見直して、場合によっては損切りを確定するとよいでしょう。
3.騙しと同じ方向にエントリーする
やや上級者向けのテクニックですが、騙しと同じ方向にエントリーするのも、対処方法となります。
騙しが発生したら一度損切りし、騙し方向にポジションを取り直します。
トレードがうまくいけば、失った金額以上のリターンも期待できるでしょう。
注意点としては、騙しの動きはかなり短い間に起こるため、瞬時に的確な判断をしなければ逆に損失は大きくなります。
騙しの動きに慣れてきてから取り入れたい対処法です。
ぜひこの記事を参考に、FXの騙しに翻弄されないようにしましょう!