これからFXを始めようと考えていて、楽天サービスをよく利用する場合は、楽天FXで口座開設するのがおすすめです。楽天銀行と連携させると、特典やポイント優遇を受けられます。
この記事では、楽天FXの特徴とメリット・デメリットを説明します。口座開設の手順も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
楽天FXの特徴
まずは、取引時間や取扱通貨ペア、取引単位など楽天FXの特徴を紹介します、
取引時間
楽天FXの取引時間は以下のとおりで、通常時間では土曜日6:56〜月曜日6:59までは取引できません。サマータイムとはアメリカの夏時間を指し、アメリカ時間の3月第2日曜日から11月第1土曜日まで、通常時間より1時間早く取引所が閉まります。
通常時間 | 月曜日7:00〜土曜日6:55 |
アメリカサマータイム | 月曜日7:00〜土曜日5:55 |
出典:楽天FX「取引ルール」
上記の時間中も、システムメンテナンスの実施期間中は取引できないこともあります。
取扱通貨ペア
楽天FXで取引できる通貨ペアは、以下の26通貨ペアです。
- ドル/円
- ユーロ/円
- ポンド/円
- 豪ドル/円
- NZドル/円
- ランド/円
- カナダ/円
- スイス/円
- 香港ドル/円
- SGドル/円
- Nクローネ/円
- トルコリラ/円
- 人民元/円
- メキシコペソ/円
- ユーロ/ドル
- ポンド/ドル
- 豪ドル/ドル
- NZドル/ドル
- ポンド/スイス
- ユーロ/ポンド
- ドル/スイス
- ユーロ/スイス
- 豪ドル/スイス
- NZドル/スイス
- 豪ドル/NZドル
- ドル/カナダドル
FX会社を選ぶときは、自分が取引したい通貨ペアの取り扱いがあるかを確認してから口座開設するのがおすすめです。FX初心者なら、ドル/円、ユーロ/円、ポンド/円、ユーロ/ドルの取り扱いがあれば、ひとまず取引に困ることはないでしょう。
取引単位と取引数量上限
楽天FXの最小取引単位は、1,000通貨単位です。1通貨単位はドルで1ドル、ユーロなら1ユーロ。
たとえば、為替レートが1ドル=100円のとき、楽天FXなら1,000通貨10,000円から取引できるということです。最小取引単位が10,000通貨単位のFX会社であれば、最低10万円からしか取引できません。
また、楽天Fxの取引数量上限は1回あたり200万通貨単位までで、注文の最大合計は30億円相当です。1ドル=100円とすると、1回の取引数量上限200万単位を取引するのに必要な資金は2億円のため、一般的なトレーダーは取引数上限を気にする必要はないでしょう。
必要証拠金
必要証拠金とは取引する際の担保となる資金のことで、楽天FXはレバレッジの倍数によって決まっています。
レバレッジとは、「てこの原理」から取られた言葉で、小さな資金でより大きな利益を得られる仕組みです。レバレッジをかけないレバレッジ1倍の状態で取引すると、10万円の資金で10万円分の取引しかできません。
しかしレバレッジをかけて最大25倍で取引した場合、250万円分の取引ができるようになります。取引金額が大きくなる分、利益も多くなる仕組みです。ただし、反対に損失になるときも25倍に膨らむことを理解しておきましょう。
楽天FXのコース別による必要証拠金は、次のとおりです。
コース | 必要証拠金 |
レバレッジ1倍 | 100% |
レバレッジ2倍 | 50% |
レバレッジ5倍 | 20% |
レバレッジ10倍 | 10% |
レバレッジ25倍 | 4% |
出典:楽天FX「取引ルール」
たとえば楽天FXで、1ドル=100円のとき、レバレッジ25倍で取引する場合は、最低必要証拠金は4,000円です。つまり、レバレッジ25倍コースなら最低4,000円あれば取引できます。
楽天FXのメリット
FX会社は多くあるため、どこでFX口座を開設するか迷いますよね。
そこでここでは、楽天FXで取引するメリットを紹介します。
スプレッドは業界でも狭い水準
楽天FXのスプレッドは、業界の中でも狭い水準となっており、トレーダーに有利な設定です。
そもそもスプレッドとは、通貨の買いと売りの価格差を指します。実はFX取引では、通貨を買うときと売るときの価格が異なります。たとえば、買値1ドル=110円なのに対し、売値1ドル=111円とすると、スプレッドは1円です。
FXでは、スプレッドが実質の手数料となるため、スプレッドの狭いFX会社で取引するほうが有利になります。
楽天FXのスプレッドは、次のとおりです。
通貨ペア | 楽天FX | GMOクリック証券 | 外為どっとコム | SBI FX トレード |
ドル/円 | 0.2銭 | 0.2銭 | 0.2銭 | 0.09銭 |
ユーロ/円 | 0.5銭 | 0.5銭 | 0.4銭 | 0.3銭 |
ポンド/円 | 1.0銭 | 1.0銭 | 0.7銭 | 0.69銭 |
楽天FXのスプレッドは、人気FX会社と比べて大きな差はなく、比較的狭い設定ということが分かります。
取引ツールが使いやすい
楽天FXは、取引ツールが使いやすいこともメリットです。
取引ツールは、パソコンからはマーケットスピードFXまたは楽天FX-WEB、スマートフォンからはiSPEED FXの3種類。どの取引ツールもシンプルな設計のため、FX初心者でも直感的に使用しやすいデザインになっています。
スマートフォンアプリ「iSPEED FX」は、スマートフォンの小さな画面からも取引しやすいように視認性がよいだけでなく、チャートを4画面分割できることもメリットです。
取引で楽天ポイントが貯まる
楽天FXなら、取引で楽天ポイントを貯められることもメリットの一つです。
楽天銀行の利用者は、ハッピープログラムと呼ばれる優遇プログラムを受けられます。楽天FXでは、10万通貨保有ごとに1ポイント貯まるためお得です。
ハッピープログラムの利用で会員ステージが上がるため、楽天銀行で受けられる特典も多くなります。貯めた楽天ポイントは、楽天市場や楽天トラベルなどの楽天サービスで使え、よりお得に楽天サービスを利用できるようになるでしょう。
楽天FXのデメリット
スプレッドが狭い、取引で楽天ポイントが貯まるなどのメリットのある楽天FXですが、一方でデメリットもあります。
ここでは、楽天FXを始める前に知っておきたいデメリットを紹介します。
口座開設基準が厳しい
楽天FXは、口座開設の審査基準が比較的厳しいことで知られています。
通常、FX口座の開設には審査が必要で、一般的には年収や職業、資産がどのくらいあるかといった信用情報がチェックされます。
楽天FXでは年収や職業の他に、次の基準に当てはまっている必要があることに注意しましょう。
- メールアドレスをもっている
- 金融資産が100万円以上ある
- 年齢が20歳以上80歳未満
上記以外にも、登録した電話番号が本人のものであることや、インターネット環境についての基準もあります。
とくに注意したいのは、金融資産が100万円以上あることです。100万円未満の場合は、楽天FXでFX口座を開設できない可能性があります。
スワップポイントが低いので長期投資には向かない
楽天FXは他社と比較してスワップポイントが低いため、スワップポイントを目的とした長期投資には向かないこともデメリットです。
スワップポイントとは、2か国間の金利差に伴って受け取れる利益です。金利差によっては、差額を支払うケースもあります。
そもそも金利とは、資金の借り手から貸し手に支払われる利息です。FXでは2か国間の通貨を取引するため、それぞれの国の金利差が生じます。金利差分の利益を受け取れるシステムがスワップポイントです。スワップポイントは毎日付与されるもので、通貨をもっているだけで利益が出るので長期投資に向いています。
楽天FXと人気FX会社のスワップポイントを比較してみましょう。
通貨ペア | 楽天FX(買い) | GMOクリック証券(買い) | 外為どっとコム(買い) | SBI FX トレード(買い) |
ドル/円 | 20円 | 18円 | 20円 | 21円 |
ユーロ/円 | -17円 | -11円 | -28円 | -13円 |
ポンド/円 | 40円 | 41円 | 51円 | 42円 |
ランド/円 | 5円 | 90円 | 7円 | 8円 |
メキシコペソ/円 | 4円 | 90円 | 8円 | 10円 |
トルコリラ/円 | 10円 | 19円 | 22円 | 19円 |
※2022年3月25日時点
上記表のとおり、ドル/円やユーロ/円、ポンド/円は楽天FXとその他のFX会社で大きな違いはありません。しかし、高スワップポイントで人気のランド/円やメキシコペソ/円、トルコリラ/円は、楽天FXより他社のほうが、スワップポイントが高いことが分かります。
同じ通貨を取引するなら、スワップポイントの高いほうが利益は大きくなるため、楽天FXでスワップポイントを狙うのはおすすめできません。
楽天FXの口座開設
楽天FXを始めるには、FX専用口座または総合口座を開設する必要があります。
FX専用口座とはFX取引を目的とした証券口座ですが、FX以外にもCFDやバイナリーオプション、投資信託の取引も可能です。総合口座はFXだけでなく、国内外の株式・債券や投資信託、iDeCoなどすべての商品取引ができます。
今後FX以外の金融商品も取引する可能性があるなら、楽天証券の総合口座を開設しておくと便利です。すでに楽天証券の総合口座をもっている場合は、マイページからFX取引の申し込みをしましょう。
STEP1:必要書類の準備
楽天FXで口座開設するには、本人確認書類が必要です。以下の本人確認書類のうち、事前に1点用意しましょう。
- 運転免許証(表裏)
- 住民票の写し
- 印鑑登録証明書
- 各種健康保険証(表裏)
- 住民基本台帳カード
- パスポート
- 在留カード
- 特別永住証明書(表裏)
- マイナンバーカード
個人番号通知カードは、本人確認書類として使えないので注意しましょう。
STEP2:総合口座またはFX専用口座の開設
楽天証券の公式ホームページから、総合口座またはFX専用口座の開設ページを開きます。楽天会員の場合は、登録したユーザIDとパスワードの入力を求められます。楽天会員でない場合も、わざわざ新規登録する必要はありません。連絡のつくメールアドレスを入力して、届いたメールから専用URLをクリックすると、申し込みページへ移行します。
申し込みページでは、個人情報と投資経験、金融資産、国籍情報などを登録します。同時に、暗証番号やログインパスワード、出金先指定口座登録も行います。
その後、本人確認書類を提出すると審査へ移り、数日後にログインIDがメールで送られてきて、取引開始となる流れです。
STEP3:入金
口座を開設できたら、取引に必要な資金を入金しましょう。入金方法はFXリアルタイム入金、または総合口座を通した振替入金から選べます。
振替入金は、楽天証券ページからのリアルタイム入金、または銀行ATMや窓口入金からの振替が可能です。
その場で入金できるFXリアルタイム入金や、リアルタイム入金は振り込み手数料無料。すぐに取引に利用できるので、おすすめの入金方法です。
楽天FXは楽天サービスを利用中の人におすすめ
楽天FXは、最小取引単位は1,000通貨と少なく、資金の少ない人や取引数量を少なくしたい人にもおすすめのFXです。スプレッドも業界の中で狭く、実質手数料を抑えて取引できます。
申し込み手順も、個人情報入力→本人確認書類の提出→審査と簡単なので、これからFXを始める場合でも手順に戸惑う心配はありません。
また、楽天FXは取引数量に応じて楽天ポイントが貯まるメリットもあります。楽天サービスをよく利用する人は、貯まったポイントを買い物や旅行に利用できるため、FX口座は楽天証券で開設するのがおすすめです。
この記事のライター・監修者
2級ファイナンシャル・プランニング技能士、AFP(日本FP協会認定) 対応可能業務:「貯金を資産運用したいけど、何から始めればよいかわからない」そんな方へ、まずは運用方法の種類やリスクを丁寧にご説明します。お気軽にご相談ください。